<絶賛エントリー受付中!>コワーキングスクールキャンプ・プレイベント REPORT 2018/02/02 前編

2月2日に横浜関内にあるコワーキングスペース、mass×mass 関内フューチャーセンターでコワーキングスクールキャンプのプレイベントを実施致しました。

福岡からスマートデザインアソシエーションの須賀大介さん、奈良からオフィスキャンプ東吉野の坂本大祐さんも駆けつけてくれて、数多くのみなさんもお越しいただき、熱いトークイベントになりました。

イベントレポートの全文を公開します。

是非ご覧ください。

2018.02.02 「働き方が多様になる社会のコワーキング術」

  〜地域(ローカル)にコワーキングを作ることで描く、人生100年時代のサバイブ術〜

会場:横浜 関内 / mass×mass関内フューチャーセンター

“暮らし方と働き方の次の当たり前をつくる! ”

ゲストトーク  須賀さん

森川:今日はお二人のゲストをお招きして、ローカルコワーキングについてたっぷりと深掘って見たいと思います。須賀さんは今福岡を拠点にしながら、福岡以外の様々なコワーキングスペースやシェアオフィスのプロデュースに関わられています。そう言った意味ではローカルといった場のコワーキングと合わせて、都市部のコワーキングとの違いについて、その辺の話も伺えたらなと思います。それでは、よろしくお願いします。

須賀:みなさん、こんばんは。ただいまご紹介いただきました、福岡から参りました須賀と申します。よろしくお願いします。それこそ、なんで福岡に住んでいるのかというと、3.11が1つきっかけになっています。あの日は、日本橋に行く途中で地下鉄に乗っていたのですけど、電車が止まって、地上に上がってみると、第二波が来て表参道あたりのビルがグニャグニャと曲がっていて。オフィスが下北沢にあったので、歩いて下北沢まで帰りました。その歩いて途中も不安もすごくて…。ちょうど子供が生まれたばっかりで、会社を立ち上げてちょうど10年だったのですけど、「このまま東京にいるべきなのか、果たして、どこで生きて行くのか。」という問いがすごく、あの日以降あって、それで5年前に福岡に移住しており、いまは家族4人で住んでおります。私の生まれは、茨城県の水戸なのです。なので、全く地縁のない福岡に行って、まさに今日のタイトル通りです。サバイバルしてちょうど5年経っています。

その中でコワーキングスペースを作ったということが、すごく地元に根ざすという上では非常に大事だったなと、振り返ると思います。

今日はこういった場づくりをしたいという皆様が集まってくれているということで、私はすごくたくさんの失敗をこの5年間してきているので、その辺をシェアさせていただいて、ほんと何でも話すので、聞きたいことがあれば質問していただければなと思います。

これが、僕らがやっていて本社のある「Salt」という施設です。海が目の前にある環境で、奥に見えるのが天神で、いわゆる福岡の中心地。そこから電車で、20分でこの景色という、福岡ってすごいコンパクトなのですよね。逆にいうと、コンパクトだからたった20分でこの景色に行けるというのは地元からしたらですね、めちゃくちゃ当たり前の景色になってしまっているのですよね。このビルも僕が使う前、3フロアぐらい空いていて、2・3年も借り手がついていなくて。「なんで?!」って思うのですけど、地元からしたら当たり前で。

みなさん、糸島って知っていますか?福岡が都市的な機能があって、糸島は田舎的な暮らしができる。今宿という場所はその中間にあるのですよね、だから、通り過ぎる場所だったのですよ。見捨てられたというか、目に入ってない土地というか。東京時代、オフィスが246の横にあったので、ここ(今宿)は天国だなと思って。交渉して、シェアオフィスにしたというのがこのオフィスです。あとは、「福岡移住計画」という活動をしているのですけども、全国の移住計画というのは、テツさん(鈴木 哲也さん)のも含めて全国18の地域に広がっていて、京都に続いて2番目に立ち上がっています。暮らしや働きを作っていくための情報発信、またはそのお手伝いをしています。

そう言った活動を少しご紹介させていただきます。

須賀:自己紹介は先ほどしたのですけど、36歳まで東京でWEB制作の会社をやっていました。会社を作ったちょうど10年目に震災があって、福岡に行ってあっという間に5年経っています。

いま42歳なのですけども、去年東京から福岡の方に本店を移動しまして、うちの会社は12名でスペース運営と、WEB制作をやっています。

「なんで、地方で働くの?」ってところなんですけど、さっきの地震の話もそうなんですよね。

そこで気づいたっていうのもあるんですけど、なんかこう自分って都市の中の部分としての部品というか。なんかそんな感覚がちょっとあって、それに対しての違和感だとか、地震があったときに、これってほんとに、なんか宮城の景色を見ながら、日本のことを自分がどれだけしっているかということで、全然知らないなと思っていないなとか。そこから、自分を再生していくための旅とうところで、移住をするという選択をしました。

地方は余白だとか、実験をするといことがたくさんできるというのがいいなと思っています。

例えば、先ほどのような不動産があったりとか、家賃も福岡って東京の半分ぐらいで住めたりとかするので、そういった場所でたくさん実験することができる。そこで活動したものを、失敗も嬉しいこともたくさんあるんですけども、そういったものを自分たちで実践して、少しでも次の世代に残せるような暮らし方や働き方のヒントを残していきたいなというふうに思っています。なので、僕らは暮らし方と働き方の次の当たり前を作るというような、ビジョンでうちの会社はやっています。仕事としては、元々はデジタルコニュニケーションを作るとうことからスタートしまして、僕自身も最初キャリアはエンジニアから始まっております。

10年ずっとWEBを作り続けていたのですけども、いまシェアオフィスの活動を始めて、不動産業を。去年宅建を取得して始まったりだとか。あとは移住計画したことで、福岡に住む人を支援する、特に人材面の免許を取ってそういった仕事もするようになっていたりします。

コニュニティを作り出すということを仕事にするようになっていました。

先ほど森川さんがおしゃっていた100年時代というのに、だんだんと自分が地方で実験するうちに自分の仕事がどんどん増えていったという経験をしています。

東京ではWEBサイトを作る仕事をずっとやっていていますが、うちの売り上げでいきますと、半分がこういったデジタルコニュニケーション、もう半分が移住計画を通して、場所を作ったり、行政と一緒にまちづくりをしていくというところです。移住計画はご存知の方もいらっしゃると思いますが、知らない方のためにちょっと説明させていただくと、私たちは行政ではないので人口を増やすというよりも 「その地域でアクションを起こす人を作っていこう」という活動をしています。田村さんという人が京都から移住計画を始めています。私たちは、本当に生きたい場所で生きる人を増やしていきたい、という思いでやっているのですけども。私がすごく共感したのが、これまで行政は移住したいという人がいたら住民票を京都に移してくれ、ずっと京都に住んでくれということでしたけども、こうしたした移住計画が増えていくと、京都に移住できなくて、じゃあ次は九州に行こうと言った時に私たちが福岡でサポートする。それで福岡に住んでみてもと自然があるところに住んでみたいと言ったら、今度は熊本移住計画をサポートするという形で、全国でのネットワークを増やしていく。ということで活動を3年ぐらい続けています、これが今年みんなの移住計画という形でそれぞれの移住計画をつなぐ、そして、お手伝いして行こうということでやっています。私たちには移住計画でやっている、3つの軸というものがあります。「居職住」ということです。居場所作りやはり移住にとって一番ハードルがあるのと、食っていくための仕事。それを作っていくということと、理想のライフスタイルを叶えるための住まいということで、移住計画ではこの3つを提供しています。東京でもこういったイベントを開催して移住したい方に対する情報提供をしていますが年々、ここ3年ぐらい、福岡に移住する、地方に移住すると決めていらっしゃる方が増えていますそういうところはすごく面白いと思います。このここ数年で

地方で生きていくということがすごくスタンダードな選択肢になってきているということを感じています。

ここは飛ばしてもいいかな、ワークシフト・ライフシフトといった、森川さんが先ほどおっしゃっていた大きな変化が来ているということです。

須賀:そう言った中でシェアオフィスとかコワーキングスペースというのは「競争」から「共創」へという価値観の中で広がっていると思いますし、ローカルコワーキングは私たちがやっていて、すごくやりがいを感じるのは、別に賃料が欲しいわけではなくて、そこに場があることでいろんな人たちが繋がっていく、そこで起きた良いエネルギーが街に循環していくということが私たちのやりがいだなと思っています。

この辺から具体的に、コワーキングまさにSALTがそのようなことをやっていますが、本当に地方でコワーキングスペースをやることに需要があるのかとみなさん思いになるかと思いますけども、この2年ぐらいで地方でも会員数が増え、うちのオフィスでいうと3倍ぐらいにもなっています。

どういうロケーションでやっているかと言いますと、(地図をみながら)これは福岡市と糸島の地図ですね、空港がここにあって、この辺が中心地ですね。この龍の頭みたいな形をしているのが糸島半島です。能古島があったりとか、金印が発見された志賀島がここにあります。だいたいここが空港から博多までが7分ぐらいで行けます。天神まで10分ですね。じゃあここから私たちのオフィスがある今宿までが電車で20分、糸島の中心地までが天神から35分で行けるという感じで、非常にコンパクトに移動ができるというのが特徴的ですね。

福岡市と糸島の中間にあるのがSALTですね、中間にあったからこそ、ちょうど糸島のコニュニティと福岡市のコニュニティの狭間だったんですね、だから私たちのようなよそ者がここでこういった場所を作れたのだと思います。

糸島の奥地にあったスーパーマーケットを活用した、写真をあとで出しますけども、「ライズアップケヤ」というものをやっています。あとは中心部にもオフィスがありまして、「HOOD天神」、島にもちょうど作っていて「タートル」とう場所を作っています。

私たちかこれをつないでいこうと考えていまして、ここを、ワークスペースを中心とした新しいワークスタイル・ライフスタイルを提供していくコミュニティを作っていこうと、「SALT CITY」という名前でやっています。

須賀:糸島に作ったこの場所は、元々スーパーマーケットであった場所を改装しています。具体的にどういうスキームでということなんですけども、この物件に関しては個人のオーナーさんが所有していた物件ですね、これが一番シンプルですね、それを私たちがマスタービス?して、シェアオフィスというサーブリースしていくという形です。糸島の奥にあるのでワークプレイスだけだと正直成り立ちませんね。なので、今は合宿や企業の研修とか、そういったとこがすごく入っていますね。あとはウェディングとか撮影スタジオのような形で多機能化しています。これがその外側ですねもろスーパーマーケットです。地元の若い工務店と一緒に。あとは九州大学の学生に手伝ってもらって、家具を作るワークショップなどを行ったりしました。企業の合宿をやっているとこです。次はSALTですね、これはビルオーナーと共同事業型という形になっているんですけども、どういうことかというと、さっきいったみたいにビルオーナーが持っている物件に借り手が全然ついていないという状況に対して、私たちが企画して空間を作って、実際にそのあとが大事で、作ったあとの情報発信や集客のほうを我々がやります。

いま3階からスタートしまして、5階をワンフロアで借りるようになって、さらにビルオーナーがやっていた2階のイタリアンレストランがクローズしたので、我々の方で吸収させてもらって、キッチン付きのシェアスペースとしてやっています。

これは、ヤフーの社員さんですね、エンジニアの方に来ていただいて、コードを書いてもらったりしています。

須賀:あともう一つは企業型不動産を活用したものがあります。これは地元の西鉄という企業が所有している不動産なんですけども、それを活用しています。これも面白いのですけども、鉄道会社なのでもちろん街を活性化させていくというミッションがあります。今天神はですね福岡市長が天神ビッグバンと言う結構いかつい名前のまちづくりをしていて、福岡っていうのは飛行機が意外と低く飛んでいて高いビルが建てられないですよ。そのためどんどんフロア数を増やして行こうと言う感じなのですね。二十坪ぐらいの小さなスペースなのですけどもワークスペースとシェアスペースを兼ねていて。

こういう活動していて地方の可能性と言うか面白いなと思うんですけども、西鉄との活動につながって次は地銀がもうつけてくれたんですよね。福岡銀行のフィナンシャルグループがあるんですけども、京橋にあります福岡じゃなくて東京駅に福岡銀行が入っている福岡ビルというビルがあるんですけども、地銀としてもお金を貸すだけじゃなくてそういうアクションを起こす若者たち自分達で育てていかなければならない、ということで自分たちのほうで プロジェクトを立ち上げて、シェアオフィスをやっている私達の方にたった10人の会社ですよ。 280坪ぐらいあるのですけども、それを委託してくれると言うそれがすごく面白いなと思います。まああとはですねこのシリーズで言うとこの天神に長崎の 親和銀行というものがあるのですけども、親和銀行のフロアが70坪ぐらいなのですが、それをやっています。じゃあそのたった10人足らずの会社でどうやって運営しているのということなんですが、コミュニティマネージャーの皆様と連携して行くのですが皆さん、基本的には副業で手伝ってもらっていまして 、クリエイターをやっている方やいろんな業界の方に関わってもらうというところで、やはりをオフィスの入居者が相談できるようなところですね。まあそんなに増やしてどうするのみたいな、この先のコワーキングの話にもなってくるんですが、これは本当に夢です。そこで今日もmass massさんにこうやって話させていただきいただいて どんどん繋がっていっていろんな場所で活動している人たちが、1000名ぐらいになってくると、イメージとしては昔教科書に載っていた、スイミーでしたっけ?小さい魚がめっちゃ、集まるとクジラでしたっけ?の大きな魚を追い払うと言うストーリーでそれがいいなと思っています。

須賀:今後はですねこの右側にあるような古民家ですとか、温泉が九州にいっぱいあるんですけども、継手がいない潰れちゃう温泉が残念ながら出てきていて、そういう場所を使って行きたいですけども、活用できる人が圧倒的に少ないですよね。地域おこし協力隊とか皆様頑張っていると思うのですけども、実際我々も本当に不動産屋って試行錯誤しながらやっていて、こういうノウハウはちゃんと共有されたらいいなと思っています、ですので森川さんやさんなどと一緒に行こうコワーキングスクールキャンプみたいな形活動を通してやっぱり赤の人達を増やしていけるといいなと。お金って本当に今は昔よりもどうにかなる時代になってきているので、仮想通貨も含めてですね、地銀とかいろんなファンドがあるので、そういうのを活用して増やしていけたらいいなという風に思っております。あとはそのワークスペース周辺にある空き家がものすごく増えてきているのでそこをつないでいくということと、空き家の周りにある地域資源をそのスペースで磨いて 商品作りをしたりだとか地域を盛り上げていくような活動もしていきたいなと思っています。

後はその不動産事業みたいなものを単純に賃貸をしてもしょうがないので、ワークスペースの周辺にある空き家2クリエイターにどんどん進んでもらってワークショップを起こせるような地域を作っていけたらなと思っていますまずは滞在してもらって塩を作ってそこでいいなと思ったら仕事を含めて一緒におじいちゃんなるまで楽しくやりましょうみたいな。

あとはそのシージェットコースターのようなこともあったよ、言う話をクロストークでしたいなと思っています。一旦ありがとうございました 。

森川:森川:ありがとうございました。細かい話はクロストークで聞きたいと思っております。今日この会場に来てもらっている人の中で真鶴の方もいらっしますが。僕もおととし大磯に引っ越したんですよね。県内プチ移住っていうのが神奈川の中で頻繁に起こっているのかなと思っていまして。そういう意味では須賀さんが福岡移住計画というのやられているんですけども、福岡に行くっていうのはいきなりハードルが高いと思います。県内の中っていうのはすごくライフスタイルをお手軽に変えられるというのはとても良いかなと思って、そういった意味では後でそういうお話もできたらいいなと思います。

“人口1,700人の村にあるんです、コワーキングスペースが。”

 ゲストトーク 坂本さん


森川:続きまして今日は奈良県の東吉野村と言う結構山深い村から来ていただいております、坂本さんです早速よろしくお願いいたします。

坂本:皆さんこんばんは坂本大祐と申します。先ほどの須賀さんと名前が一緒と言うことなのですけども、今夜はダブルダイスケでやっていきたいなと思います。

それで早速なのですけども、まずは自分が何をやっているのかというところをお話ししたいと思います。森川さんと同じようにデザイナーであったりクリエイティブディレクションであったりと言うことを生業としております。自分の場合はスタートが建築だったものですから建築内装から始まってですね、パッケージのデザインもやりますし、ロゴのデザインをやりますよ みたいなことをやっております。こういう仕事を主に関西の主に大阪を拠点にしてですね、ずっとやっていたのですが、12年前に大阪から東吉野村というこれからご紹介する村に移住したのです。今までこそ移住という言葉が割合ノーマルな状態となっていますが、当時は移住という言葉がなかったので引っ越しという感じだったのですけども、それで東吉野村に引っ越したわけですよね。まあどんな村かと言うと紀伊半島の真ん中にある奈良県の村なのですね、東吉野村は現在人口が、1700人高齢化比率が、54%という恐ろしい数字なのですけども、65歳の人が半数以上いるという本当に限界集落を突っ走っているような村です。

移住のきっかけをよく聞かれるんですけども、実は自分の場合は大阪でデザインやディレクションの仕事をずっと受けていて、それをちょっとやりすぎまして、ハードワークで体を壊してしまい、それで移住を決めたのです。入院して医者からはフルタイムで働かない方がいいとも言われました。どうしたもんかなと途方に暮れている時に、実は山村留学という制度で中学生の時に1年間ですね、この川のきれいな村にいたことがあったんです。要は中学生の時に1年間この村に住んでいたわけですよ。

坂本:なので、全然知らない村ではなかったということが大きいんですけども、ご覧の通りですね後ろにある緑色の山々これがこの村の基幹産業です。皆さんご承知の通りですね林業というものは右肩が下がっておりまして。仕事がなくなるから、人がいなくなり、ピーク時は1万ぐらいの人口が現在1700人になってしまったと言うそんな状況です。分かりやすく仕事がなくなったことで、人がいなくなったそんな村です。川の綺麗さが自慢ですよね、僕はこの村に移住してですね実は案外仕事があったということに驚いたんですけども移住してからほとんどですね1年ぐらいは何もしなかったんですけども、そのうち以前のクライアントさんから声がかかったりして関西一円での仕事をぼちぼちやるようになりまして。その当時メールでのデータのやり取りで仕事が全然できていたので、そうこうしているうちに自分の存在を奈良県の中で知っていただいてですね、東吉野村の隣にある曽爾村の商品のブランディングをさせていただいたりとか、東吉野村の中にある素麺工房さんの新しい商品のパッケージをやらせていただいたりとか医療機関のロゴをやってみたりとか。これはご存知の方もいらっしゃると思いますが近鉄と言う関西方面の私鉄のポスターを奈良県と一緒に作ったりしました 。これはユネスコエコパークと言う我々の住んでいるエリアにありましてそれを PR してほしいという環境省からのお仕事をいただいたりもしています。要は移住してもそのまま引き続いて仕事ができただけではなくクライアントも増えたというイメージですね。正直言うと今現在はこういうふうになっていますが、移住した直後は年収半分以下ぐらいになっていたと思います。 でもいろんなコストが安く済むのでとりあえず何とかなっていたというよくある話です。今日はその中でも今一番大きな仕事になっているオフィスキャンプという場所の話をしていきたいと思っています。


坂本:早速ですけどもオフィスキャンプの設立の経緯を説明したいと思います。

そもそもこの計画は奈良県から依頼を受けて作ったものなんですよね。もうすでに移住者である自分に、移住者に向けたサービスとか移住者をもっとこれから増やせられるような企画はできないかということで、じゃあシェアオフィスはどうかというアイデアがでてきました。

自分の友人にプロダクトデザイナーもがいるんですけども、その彼が移住してくれたんですよね、その時にはまだオフィスキャンプはなかったんですけども、移住してきてくれてお子さんが生まれてすぐだったものですから、家の中で仕事するのもすごく大変だったんですよ、新生児がずっと泣いているから。デザイナーはどこでも仕事ができるものなので、自分の家に来てもらったりしていたんですけども、なんかぼんやり第三の場所みたいなものがあったらいいんではないかなと思っていたんです。でも、プラスアルファでお金を出して作るものでもないということが正直あって、そこで渡り舟で奈良県からそういう依頼があったもんですから提案してみたところ、それは面白いということで企画書を出させていただいて、最終的にそれを奈良県から東吉野村に提案していただいて、東吉野村が採択してですね晴れてオフィスキャンプが出来上がっているというふうになったのです。

オフィスキャンプは今から3年前の2015年の4月にオープンしています。これをまとめますと、要は奈良県と東吉野村と移住者が手を組んで作りましたということと、これが「面白いなあ」と思っている部分で、行政の仕事なんですけども基本計画と、内装のデザイン、最終的に出来上がったスペースの運営まで、実は自分が今やってるのですけども、これは非常に珍しいケースだと思うんですけども、これがやれたおかげで今オフィスキャンプというのはいろんな形で取り上げていただいたりとか、 そういうものを生み出せたすごく大事なポイントとしてはこれかなと思っています。その後ですね二つ大事だなと思っていることがあって、一つはターゲットを絞りましょうということ。うちのオフィスキャンプの場合はですね、クリエイターにターゲットを絞りました。それはなぜかと言うと自分達もそうなんですけども、自分も友人からオフィスキャンプが出来る前から移住したいなという相談を受けていて、それが同じような職種の人でしたから、クリエイターと呼ばれている人達は、独立で開業されている方が多くて、かつ、持ち運べるタイプの仕事をやっている人が多いです。なので、先ほどもうまく「居・職・住」の説明をされていましたけども、本当にその通りだなと思います。

そのうちの「職」をすでに持っていて、後は住まいがあって居場所があったら来れるんじゃないかなと思うんですよね。それでまずはクリエイターにターゲットを絞りましょうという風にしたんです。クリエイターに働きたいなと思ってもらえるような空間をつくろうと、そういうことで出来上がったのがこのオフィスキャンプですね。

坂本:今ちょうど真冬なんですけどあまりにも寒くて2月の末まで休業しています。普段どういう風に使っているのかというと、ヘビーな会議をやったりとか、先ほどもちょっとありましたけども、企業の研修などという形でもご活用いただいております。一番多いのはデザイン事務所の人達が事務所ごと動くという形で、スタッフ総出でご利用いただいたりしています。環境を変えて、全然違うアイデアを出るかもねとか、そういうところを期待されているようです。

海外の方もご利用いただいてます。やってみてわかったことなんですけども、正直人口1700人の村で 大阪から車で一時間半ぐらいかかるんですけども、そんな場所で利用してくださる方なんていないんじゃないかな? というのが正直なところでした。ところが、意外とそんなことなくて、これには驚きました。普段こんな感じで隣に小学校があるので小学生が「どんなことやってんのっ」て、見に来てくれたりもします。オフィスキャンプはコーヒースタンドを併設しているんですよ、これがですね、結構自分で大事だなと思っていて、自分がコーヒー好きだということもあるんですが「偶然を生み出すデザイン」という風に書かせていただいてるんですけども、ここにはシェアオフィスを使っている利用者さんもコーヒーくださいと言ってきますし、村のおじいちゃんとかも来たりします。外からの観光客の方もフラッと来たりですね、この中で偶然出会うんですよ。

坂本:まさにmass×massの中でもそのようなことが起こっていると思うんですが、その偶然出会うというのがすごく大事だなと思っていて。約束して会うっていう事ってどう喋ろうとか何を喋ろうとか、打ち合わせる前提で会うじゃないですか。偶然会う時ってどういう話をするか、どういうアイデアが出るのか、分からない状態でいるわけですよね。それってすごく大事で、全然属性の違う人たちがコーヒースタンドという場所で混じり合うわけですよ。村のおじいちゃんと、移住したいなと思っている人が出会って「うちの村はな〜」とかそういう話になるわけですよ。これによってウチの場合は移住ということが加速されているように感じています。なので、コワーキングスペースは大事なんですけども、それは一つのシステムというかツールで、もう一つすごく大事だな、と思うのはこういう余白の場所というか偶然が生まれるような仕組みをデザインする、組み込んでおく、ということが大事だなと感じております。

訪問者の数ですが開業以来3年間で4500人ぐらいなっています。今現在移住者は12組22名。クリエイターと言われる人たちが多くて、例えば漫画家さんとか、漫画家さんも結構自由な職業なんですよ。あとはもちろんデザイナーカメラマン、あとは仏師という仏さんを彫る人ですとか。本当に多彩なメンバーが揃っている現状です。課題としては、先ほど不動産の話もちょっとされていましたけど、移住したいよって言ってくれている人も、空き家がないと来れないわけですよね。うちの場合はそんなに戸数も多くないですから、どんどん良いところから決まっていきます。ですので、今残っている家っていじらないと住めない家がほとんどなんですよね。なので、次の課題はやっぱり住まいをどうしていくのかというのは我々が取り組んでいかなければならない、ミッションだなと思っています。

最後に、移住した人たちに、移住おめでとうパーティーを開かせるということを、ほぼ強いております。というような感じで東吉野村で活動を続けております坂本でした。ご静聴ありがとうございました。

森川:坂本さん、ありがとうございます。

坂本:ありがとうございます。

森川:偶然を誘発するデザインとうことで、カフェを作られているんですけども、まあカフェがあっても、ああいう形には多分ならないんですよね。カウンターの向こう側には坂本さんがね。こう全然知らない、たまたま隣にいる三人ぐらいの人をパスしながらうまく会話を生む、さっきもね須賀さんはコミュニティマネージャーと言っていましたけども、こういう空間はコミュニティマネージャーと言われる人の役割が実はすごく大事で、設計でその場所だけ作っても実はうまくいかない、そこに誰がいるのかっていうのが実は重要だなというふうに思いました。

では後半は、このままセッションに入りましょうか、ここから僕と鈴木哲也さんも入って、4人でいろいろディスカッションしながら進めましょうー。


後半はまもなく公開!
締め切り迫る!!現在エントリー絶賛受付中!!





CO-WORKING SCHOOL CAMP

地域を豊かにするための“コワーキング・スペース”を作るための、スクール型コミュニティプラットフォーム。 これからコワーキングスペースをはじめたい、企画している運営事業者や自治体、地域企業の方々のための対話型プログラム。

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